残業レコード

あるサラリーマンライダーの栄光と苦悩の記録

明日使えるバイクウェアコーディネート

突然だが、バイクに乗る時のあなたはどんな格好をしているだろうか。バイクウェアは普段着と異なり安全性、運動性、ファッション性など、求められる要素が多い。

ときに安全性や運動性といった機能的なものは、ファッション性と相反することが多い、これがバイクウェアの難しいところなのではないだろうか。

ここまで偉そうに述べたが、幼い頃の僕はファッションに疎かった。小5の頃、母が買ってくれたドラゴンボールTシャツを着ていて同級生の女子に笑われたことがある。

あのときはTシャツにプリントされたベジータさえも僕を笑っているように感じた。今思い出しても胸がギュッとなるほろ苦い思い出だ。

もうあの日の失敗を繰り返したくない。そんな僕はバイクウェアには結構気を使っている。今日は僭越ながら僕のバイクウエアをいくつか紹介しようと思う。

キメる夏

・アウター:AIR FRAME D1 TEX JACKET / DAINESE
・ボトムス:TODI SLIM JEANS / DAINESE
・グローブ:STUNT EVO / FIVE
・シューズ:ガルドシューズ/クシタニ

ダイネーゼ のメッシュジャケットを主役にしたコーデである。コーデはコーディネートの略語らしい。

ダイネーゼはカッコいいし、motogpライダーも身に付けている憧れのメーカーだ。ただし、なんといっても高い。高いけどダイネーゼを着てみたいという場合には、比較的手の出しやすい夏用のメッシュジャケットがオススメである。

時折、「それは本国製じゃない」とか厄介なことを言ってくるやつがいるけど、面倒なのでガン無視しよう。

ライダーの間では、ダイネーゼかアルパインスターズを着ておけば、なんか文句をつけづらい、そんな印象すらある。

スポーツ系レザー ジャケット

・アウター:クロームジャケット / クシタニ
・ボトムス:TODI SLIM JEANS / DAINESE
・グローブ:GPSグローブ / クシタニ
・シューズ:ガルドシューズ/ クシタニ

中間期にはスポーツ系のレザージャケットを積極的に着よう。各メーカーから似たコンセプトのジャケットが出ているが、クシタニさんのはスポーティ過ぎないデザインで、少し渋い感じが良い。

写真のジャケットはクシタニの中では廉価版の位置付けではあるが、生地の使い分けや立体的な形状により運動性は抜群である。これを着てはじめてバイクに乗った時は体の動きを邪魔させないその技術に衝撃を受けたことを思い出す。

衝撃といえば、ブルマが突然ベジータと付き合いだしたときには子供ながらに驚いたものである。最初こそブルマのことを「下品な女だ」とか言っていたくせにに、魔神ブウ編では息子に対して「ママを大切にしろよ」と語るほどの変わり様である。

ウィンタースタイル

アウター:ウィンターテックジャケット/クシタニ
・ボトムス:TODI SLIM JEANS / DAINESE
・グローブ:WFX CITY WP / FIVE
・シューズ:ガルドシューズ/ クシタニ

冬にもバイクに乗るために冬用のスポーツジャケットを新調した。このジャケットの生地は軽快で運動性に優れており、冬用ジャケットのゴワゴワとした動きにくいイメージを覆してくれる。インナーダウンと防風ジャケットがセットになっていることで、厳しい冬の寒さからライダーを守ってくれる。

コーデとき言っておきながら、バイク用のズボン、もといボトムスは一つしか持っていないので使い回しだ。もはやコーデもクソもないが、黙って見守ってほしい。

さて、ファッションに詳しい人ならここまでで気づいていると思うが、今回の写真にはギニュー特戦隊のポージングを取り入れている。ギニュー特戦隊はあのフリーザにも一目置かれるエリート部隊で、女性人気も高いキャラクターだ。

フリーザというやつはドラゴンボールの中でもかなりの強敵で、その名の通り冬の寒さのような冷徹さが特徴だ。あのベジータでさえもフリーザに敗北して死んでしまったほどである。

おっと、安心して欲しい。ドラゴンボールの世界ではシェンロンというバカでかい龍が定期的に願い事を叶えてくれるので、主要キャラクターが爆発とかしても生き返らせることができる。クリリンにいたっては4回も死んでいる。もちろん、フリーザに負けたベジータもちゃんと復活している。

テキスタイル戦闘服

・アウター:コンテンドジャケット/クシタニ
・ボトムス:TODI SLIM JEANS / DAINESE
・グローブ:GPSグローブ/ クシタニ
・シューズ:FUSION / SIDI

このテキスタイルジャケットは見ての通りかなりスポーティなデザインになっていて、着ているものの感情を昂らせてくれる。これを着ていると、まるで自分が強くなったような気がしてくるから不思議だ。生地が薄手でベンチレーションも付いているので春〜初夏および秋口に活躍してくれる。

ジャケット以外に目を向けると、HYODのD3Oプロテクターがギニュー特戦隊の戦闘服の肩のアーマーに似ていたので、それを大胆にあしらっている。

D3Oは両面テープで固定しているが、転倒時には吹き飛んでしまう可能性が高い。加えて、高速走行時にはバタツキが気になるので、素直にウエアに仕込むのが得策だろう。

肩のアーマーに目を奪われがちだが、頭部にも注目してほしい。ヘルメットには甥っ子に借りたスカウターを装着しているのである。スカウターの赤色が差し色になっているという上級者テクも憎い演出だ。

ちなみに、スカウターとは敵の戦闘力を数値化して表示してくれるアイテムである。今回のコーデで極限まで高まった僕の戦闘力を甥っ子に見てもらったところ、ヤムチャと同じくらい、とのことであった。

ヘリテージ系

・アウター:モーターサイクルジャケット
・ボトムス:普通のジーンズ
・グローブ:普通のグローブ
・シューズ:エンジニアブーツ

普段着で格好付けてバイクに乗りたい。そんな考えを持っていた時代が僕にもあった。当時の僕はライダースジャケットより断然渋いオイルドコットン派であった。

プロテクター入りのジャケットを着るようになったのは、万が一の転倒や事故が徐々におっかなくなってきたからである。

いつも亀仙流の道着を着ていた悟空だって、強敵のセル編の時にはちゃんと戦闘服を着ていた。戦闘服の動きやすさに感心していた悟空のように、着てみてはじめて分かることもある。

機能的な面はもちろんそうだけど、バイクウェアにはバイクウェアの格好良さがある。最近はそう思うようになってきた。

シェンロンのいないこの世界で

ギニュー特戦隊ベジータに殲滅された。

子供の頃の僕は、単純に戦闘力の差が出たんだと思っていた。だけど、今見返してみると、ギニュー特戦隊の面々はポージングで格好つけることばかりを気にしているのが分かる。

言い換えれば、彼らは普段着でバイクに乗っていた昔の僕のように、見た目を最優先させていたのである。戦闘服こそ着ていたが、そのマインドこそがベジータに負けた本質的な理由だったのかもしれない。いくら格好つけようとも、本来の役割を果たせないのはやっぱり格好悪い。

街を走っていると、かなりライトな服装でSSやメガスポーツに乗る人を見かけることがある。それも結構なスピードを出している。

彼らの場合、ファッションにこだわっているというよりは、自分の命を軽く扱っているだけかもしれない。戦闘力は、ヤムチャな僕よりずっと高いだろうけど。

僕たちの生きるこの世界にシェンロンはいない。ベジータのように何度も蘇ることはできない。

「ママを大切にしろよ」と言い残し、地球を守るために自爆したベジータは確かに格好良かった。だけど、それは漫画の話だ。生きて家族を大切にする。こっちの世界ではそれが一番格好いいに決まっている。

シェンロンこそいないけど、僕は世界中のライダーたちが世界でいっとー尊い命を大切にしてくれることを願う。

2019年11月16日